男性の排尿トラブル

世界の男性が感じる排尿のお悩み

排尿のトラブルを経験する男性は多い?」では、日本人を対象とした調査から、40歳以上の男性には「排尿に関する症状」を感じている方が多いことを紹介しました。
これは、日本人男性以外にも共通することなのでしょうか?

そこで、世界各国の「前立腺肥大症」による排尿に関するトラブルをかかえた男性を対象としたアンケート調査(PROBE試験)の結果を紹介します。

世界でも、ある程度の年齢に達した男性は排尿のお悩みを持っており、世界中の男性に共通するお悩みであることがわかります。

PROBE試験
世界各地の前立腺肥大症患者とその主治医(泌尿器科)を対象に、症状や治療状況、治療満足、治療方針などを明らかにするために実施された調査
世界の男性も「排尿のトラブル」に不安1)

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世界的に見ても、男性はある程度年齢が高くなると、人種や地域を問わず、排尿に関するトラブルが増えると考えられています4)
前立腺肥大症の治療を受けているヨーロッパの男性を対象とした調査1)では、下記のようなことがわかりました。

排尿に関する症状は多くの不安を生む
排尿に関する症状として、「睡眠を妨げる」、「不快感」、「症状に対する後ろめたさ・イライラ」などを多くの方が自覚しています。これは、男性の排尿障害の主な原因のひとつである「前立腺肥大症」の症状に関連していると考えられます。(図1)

(図1)前立腺肥大症の初期症状に対する不安(図1)前立腺肥大症の初期症状に対する不安

症状を自覚することが受診のきっかけに
こうした症状を自覚することが、医師への相談と、原因となる疾患の診断のきっかけとなっています(85%の方が「症状の自覚がきっかけで医師に相談した」と回答)。
症状の改善と同時に、手術のリスクを減らす治療が望まれている
こうした症状に対する薬物治療にはいくつかの選択肢があり、主なものには、「前立腺と膀胱・尿道の緊張を緩める薬」と「前立腺を小さくする薬」の二つがあります。一般的に「緊張を緩める薬」は比較的早く効果が現れます。一方、「前立腺を小さくする薬」は効果が現れるまでに時間がかかりますが、将来の手術リスクが減ることが報告されています。
この調査では、「すぐに症状を改善するが、将来の手術リスクを減らさない治療」と「症状改善まで時間がかかるが、将来の手術リスクを少なくする治療」のどちらを優先したいかの問いには、75%以上の方が「将来の手術リスクを減少させる治療」を優先して受けたいと望んでいます。(図2)

(図2)薬物治療の選択で重視する治療方針(図2)薬物治療の選択で重視する治療方針
※2つの治療法(1および8)に対し、どちら寄りの効果を重視するかを8段階で回答

この調査から、適切な治療を受けるために、ご自身の症状に加えて、治療に対する希望も医師に伝えることが大切であるということがわかります。

対象と方法
ヨーロッパ各国(フランス、ドイツ、イタリア、スペイン、イギリス)在住で、45歳から80歳、前立腺関連の病歴があり、前立腺肥大症もしくは前立腺の肥大に対する医師の診療を12ヵ月以内に受けたことがあり、薬剤による治療を受けている男性を対象として、面談によるアンケート調査を実施。
502人の回答を基に解析を行った。
排尿の悩みに対する治療の満足2)

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排尿のトラブルは日常生活の支障をきたしやすく、症状を感じている方は大きな悩みの種となっています。
前立腺肥大症の治療を受けている東欧、アジア・太平洋、南アメリカ地域の男性を対象とした調査2)では、下記のようなことがわかりました。

さまざまなつらい症状を感じている
自覚している症状のうち、特につらく感じている症状(患者さん自身が重症または中等度以上と感じている症状)として、何度も尿がしたくなる「頻尿」、尿をガマンできない「尿意切迫」、夜中トイレのために何度も起きてしまう「夜間頻尿」が多く挙げられました。(図3)
これらの症状は、日常生活に支障をきたすと考えられます。

(図3)前立腺肥大症の初期症状に対する不安(図3)前立腺肥大症の初期症状に対する不安

治療を受けることで約7割程度が満足
こうした症状は、医師の治療を受けることで改善する可能性があります。
この調査では、各国・地域により差はありますが、全体の約7割が治療に満足していることがわかりました。(図4)
一方で、日本人は46%となっており、医療制度や利用できる薬剤に違いがあるため数字だけで他国との比較は難しいものの、全体と比較して満足度が低い状況となっています。

(図4)前立腺肥大症の治療に対する満足(図4)前立腺肥大症の治療に対する満足

治療に満足しないときは治療法の変更も考慮
この調査では、薬物治療を受けている間に「治療薬を変更」したことのある方は21%でした。その主な理由は、「迅速で十分な効果が得られなかった」(変更した方の37%)、「効果が得られなくなった」(同17%)、「副作用があらわれた」(同16%)などとなっています。

この調査から、高齢男性には前立腺肥大症とその症状についてよりよく知ってもらい、疑われる症状がある場合はすぐに病院で診断し、適切な治療を受けていただくことが重要であるとわかります。

対象と方法
アジア・太平洋地域(オーストラリア、中国、インドネシア、日本、マレーシア、フィリピン)、南アメリカ(アルゼンチン、コロンビア、メキシコ、ペルー、ベネズエラ)、CIS※(カザフスタン、ロシア、ウクライナ)在住で、45歳から80歳、前立腺関連の病歴があり、前立腺肥大症もしくは前立腺の肥大に対する医師の診療を12ヵ月以内に受け、その症状に対する使用中の治療薬を把握している男性を対象として、面談によるアンケート調査を実施。1094人の回答を基に解析を行った。
※CIS: 独立国家共同体(ロシア等の東欧諸国の連合体)
日本人の症状と治療選択の特徴3)

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排尿のトラブルは世界中の多くの男性にとって、日常生活の支障をきたす悩みの種となっています。
前立腺肥大症の治療を受けている日本の男性を対象とした調査3)では、下記のようなことがわかりました。

つらい症状により日常生活に支障を感じている
自覚している症状のうち、特に日常生活に支障をきたす症状として、何度も尿がしたくなる「頻尿」、尿をガマンできない「尿意切迫」、夜中トイレのために何度も起きてしまう「夜間頻尿」が多く挙げられました。(図5)
これらの症状により、生活の質が低下すると考えられます。

(図5)日常生活に影響する前立腺肥大症の症状(図5)日常生活に影響する前立腺肥大症の症状

手術のリスクを減らす治療が望まれている
こうした症状に対する薬物治療にはいくつかの選択肢があります。その治療方針として、「症状をすぐに改善する治療」と、「将来の手術リスクを少なくする治療」のどちらを優先したいか、との問いには、60%以上の方が「将来の手術リスクを減少させる治療」を優先して受けたいと望んでいます。(図6)
この結果は、ヨーロッパの男性を対象とした調査1)と同様の傾向となっています。(→参照:「世界の男性も『排尿のトラブル』に不安」内の<図2>薬物治療の選択で重視する治療方針)

(図6)薬物治療の選択で重視する治療方針(図6)薬物治療の選択で重視する治療方針
※2つの治療法(1および8)に対し、どちら寄りの効果を重視するかを8段階で回答

一方で、現在の治療に対して「満足している」のは約半数しかおらず2)、希望する治療法を受けられていない方も多いことが示唆されます。(→参照:「排尿の悩みに対する治療の満足」内の<図4>前立腺肥大症の治療に対する満足)

この調査から、排尿のトラブルは日常生活への影響が大きいため、症状を感じた場合は早めに医療機関を受診し、自分に適した治療を受けるために、何を治療に望むかを医師に伝えることが大切であるということがわかります。

対象と方法
アジア・太平洋地域(オーストラリア、中国、インドネシア、日本、マレーシア、フィリピン)、南アメリカ(アルゼンチン、コロンビア、メキシコ、ペルー、ベネズエラ)、CIS※(カザフスタン、ロシア、ウクライナ)在住で、45歳から80歳、前立腺関連の病歴があり、前立腺肥大症もしくは前立腺の肥大に対する医師の診療を12ヵ月以内に受け、その症状に対する使用中の治療薬を把握している男性を対象として、面談によるアンケート調査を実施。そのうち、日本人200人の回答を基に解析を行った。
※CIS: 独立国家共同体(ロシア等の東欧諸国の連合体)
排尿のお悩みで受診される方へ
PROBE試験の結果をみると、まだまだ日本の男性は排尿の悩みを充分解消できていないようです。
より質の高い生活を送るためには、排尿の悩みを年齢のせいにせず、恥ずかしがらずに医師(泌尿器科医)に相談することが大切です。
また、どういう生活をしたいのか、治療にどのようなことを望むかを主治医に伝えることは、より希望に沿った治療を受けることにつながります。治療方法は1つだけではなく、とても進歩しています。あきらめずに、ご自分のライフスタイルに合った治療法を見つけるまで、積極的に主治医と相談しましょう。
  1. 1) Emberton M, et al. Int J Clin Pract. 2008; 62(1): 18-26.
  2. 2) Ertel P, et al. Int J Clin Pract. 2016; 70(10): 870-880.
  3. 3) Takahashi S, et al. Int J Urol Nephrol. 2017; 5(5): 168-184.
  4. ※ 1), 2), 3) の試験は、グラクソ・スミスクライン(株)の資金援助を受けています。
    著者には、過去に研究者、演者としてグラクソ・スミスクライン(株)を支援した者が含まれています。

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