男性の排尿と前立腺

「前立腺」ってどんなもの?

前立腺の役割や構造を知ることで、前立腺が排尿のトラブルに密接に関連することが理解できます。
ここでは、排尿に関係する情報を中心にまとめてみました。

前立腺の場所と構造

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前立腺は男性しか持っていない身体器官です。

前立腺は膀胱のすぐ下に隣接しており、膀胱にためられた尿を排出するための通り道となる「尿道」の周囲を取り巻いています(図1)。大きさは栗の実やクルミ程度で、重さも20グラム程度と非常に小さな器官です。
精液をためる器官である「精のう(せいのう)」とも隣接しており、精のうにためられた精液の通り道となる「射精管」は、前立腺のなかで尿道とつながっています。

前立腺の組織は大きく分けて、外側の「辺縁領域」と、内側の「中心領域と移行領域」に分けることができます(図2)。

こうした場所と構造から、排尿と生殖に密接な関係があることがわかります1),2)

(図1)前立腺の場所(横から見たところ)(図1)前立腺の場所(横から見たところ)1)

(図2)前立腺の構造(図2)前立腺の構造1)

前立腺の役割

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前立腺は男性特有の「生殖器」のひとつです。

生殖に関与する代表的な働きとして「前立腺液」の分泌があります。前立腺液は精液の主な成分のひとつで、精子を保護して活動を活発にする成分を含んでおり、精のうの中で精子などと混合され精液となります1),2)

また、前立腺には筋肉(平滑筋)が張り巡らされており、小さく縮むことができます。これにより、射精のときに精のうにためられた精液を尿道内に通して押し出す役割があります。同時に、膀胱側の尿道を狭くして、精液が膀胱側にいかないように調整を行っています1),2)

詳しい関係性はまだ解明されていませんが、この尿道の太さを変化させる機能は、排尿に関連した役割を担っていると考えられています1),2)

「前立腺」ってどんなもの?

前立腺の加齢による変化

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前立腺は多くの男性で、加齢とともに大きくなる現象が認められています2)
人種や地域を問わず、中高年以降の加齢に従って増加する傾向が認められており、前立腺の肥大は生理的な加齢現象とされています2)

前立腺が大きくなる(肥大する)原因は様々研究されていますが、最も大きな原因として「男性ホルモン」の関与が示されています(⇒前立腺と男性ホルモン2)
年齢が進むにつれて、いろいろな要因が重なり、前立腺が大きくなるものと考えられています。

(図2)前立腺の大きさの変化と割合(海外のデータ)(図1)前立腺の大きさの変化と割合(海外のデータ)3)

対象と方法
年齢と前立腺の重量、もしくは年齢と前立腺肥大症の有病率を検討した10の研究を対象としてメタ解析を行った。

年齢相応に前立腺が大きくなる場合、前立腺の中でも主として内側の組織(移行領域)(⇒前立腺の場所と構造)の細胞数が増えて、外側を押し広げるようにして成長します(図2)。
このとき、中を通っている尿道も圧迫されて狭くなった状態となります。

(図2)前立腺の変化 (図2)前立腺の変化 (図2)前立腺の変化 (図2)前立腺の変化 (図2)前立腺の変化 (図2)前立腺の変化 (図2)前立腺の変化1)

正常肥大

前立腺と男性ホルモン

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男性ホルモンは、男性らしい体つき(骨格や筋肉)への成長や、男性の生殖機能の成長に強く関与しており、生殖器のひとつである前立腺もその例外ではありません。

小児期から青年期にかけて前立腺は成長し、機能が成熟しますが、この際に男性ホルモンが不足すると成長が妨げられ、機能が低下します。こうしたことから、前立腺を成長させる刺激として男性ホルモンは不可欠とされています。

前立腺が十分に成長し機能するようになって以降も、男性ホルモンは作り続けられます。このことは前立腺を成長させる刺激が与え続けられている状態ともいえます。
ほかにもさまざまが要因が関係していますが、年齢を重ねるにしたがって多くの男性で前立腺が大きくなる要因として、男性ホルモンの果たす役割は大きいと考えられています。

前立腺と男性ホルモン

前立腺と排尿の関係

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前立腺の場所(⇒前立腺の場所と構造)(図1)からもわかるとおり、前立腺と排尿は非常に密接な関係があります。
尿道が中を通っているため、病気などで前立腺に何らかの変化が起こると、尿道にも影響がおよび、排尿の状態を変化させます。

(図1)前立腺の場所(図1)前立腺の場所1)

他人事じゃない?!前立腺肥大症

  1. 1) 聖路加国際病院(監修). ゼロからわかる前立腺肥大症・前立腺がん. 世界文化社, 2013.
  2. 2) 市川智彦(監修). これで安心!前立腺がん・前立腺肥大症. 高橋書店, 2014.
  3. 3) Berry SJ et al: J Urol 132(3): 474-479, 1984 より改変

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