排尿障害のよりよい改善に向けて

第3回 ハイキング・トレッキング

山へ出かけよう!
日常を忘れ、自然を五感で感じて癒されましょう。


正しい歩き方でゆっくり楽しむ

―― 長い距離を歩くことになりますが、疲れにくい歩き方のポイントを教えてください。

越谷 “歩き方”はトレッキングの基本で、身体への負担に大きな影響を与えます。凹凸があって坂道が連続する登山道を歩く場合、普段の歩き方や、いわゆるウォーキングの歩き方ではすぐに疲労してしまいます。トレッキングでの歩き方の基本は、“足裏全体で着地”し、“小股”で、“ゆっくり一定のリズム”をキープすることが大事です。

―― 上り坂、下り坂といった坂の歩き方はどうでしょう。

越谷 山の中ですから、勾配がきつい坂も歩かなくてはならない場合もありますよね。そんな時は、斜面を蛇行し歩いてください。日光のいろは坂のようにジグザグに歩くことで、歩く距離は増えますが、傾斜を減らすことができますし、斜めに歩くことで様々な筋肉を使うことになって、負担の分散にもつながります。

―― 長時間歩き続けるとどうしても疲労がたまりますが、休憩の取り方などでポイントはあるでしょうか。

越谷 トレッキングを楽しむためにも、自分に合ったペースを見つけて、それを守りながらあることが重要です。そして、疲れたと思ったらすぐに休みましょう。慣れないうちは30分歩いて10分休憩くらいのペースでも構いません。休憩の仕方にもポイントがあって、休憩ではつい腰をおろしたくなりますが、こうした休憩方法はおすすめしません。荷物は降ろしてもいいですが、座ってしまうと温まった筋肉が冷えてしまい、運動を再開するときに負荷がかかってしまいます。食事なども含め、できるだけ立ったままで休憩を行ってください。


知っておきたい、トレッキングのマナー

―― 山の中ではマナーが大切と聞きますが、知っておきたいマナーや心得を教えてください。

越谷 山の中ならではのマナーや心得は、知らないと周囲に迷惑をかけて、途端にトレッキングを楽しくないものにしてしまう可能性もありますので、ぜひ知っておいてください。

①トレッキングでは、基本的に“登りが優先”。
②挨拶や会釈も忘れずに。
③コースを外れないようにする。
④高山植物などを見かけても、採取しない。
⑤ゴミのポイ捨ては禁止。ゴミは全て持ち帰りましょう。
⑥山の中でトイレはしない。

①については、こちらが大人数の場合は、人数が少ない下山者を優先させるなど、スマートな対応をとりましょう。
⑥も重要なのですが、山の中でおしっこなどをしてしまうと、自然の生態系に影響を及ぼす場合があります。自然保護のためにも避けてください。コースによってはお手洗いがありますので、事前に調べておきましょう。まずは、お手洗いは登山口ですませておき、緊急時に備えて「携帯用トイレ」持っていくのもよろしいか思います。


準備は入念に ~そろえておきたいトレッキング用具

―― 山という自然の中に飛び込むためには、装備も重要ですよね。

越谷 非常に重要です。山の中は天候の変化も激しく、晴天から急に雨が降ってきたり、日中でも気温の変化が激しかったりします。こうした変化に対応するためにも、しっかりとした装備を準備してください。夏場でも軽い防寒着を持っていくくらいの備えが重要です。

―― まず用意したい基本装備には何があるでしょうか。

越谷 まずは服装です。季節によって気温に大きな差がありますが、基本は肌をあまり露出させない服装にしましょう。日光に当たりすぎるのもいけないですし、体温を過剰に奪われる原因にもなります。普段着を流用することもある程度できるとは思いますが、現在は山の環境に適応した高機能の素材が数多く開発されていて、それらを使用した衣服も増えています。スポーツショップの山岳スポーツのコーナーに取り揃えられていますので、登山に最適化された衣服を準備したほうがいいでしょう。迷ったら、適当に買うのではなく、店員に相談してください。

―― 登山専用の靴もありますが、用意したほうがいいのでしょうか。

越谷 トレッキングは山道を歩くことが基本ですので、山歩きに最適化された登山靴は、身体の負担軽減のためにもぜひ用意してください。最近ではトレッキング用に調整された「トレッキングブーツ」も数多く売られています。重要なのは自分の足へのフィット感ですので、お店で店員と相談しながら、試着をしてから購入しましょう。インターネットでも購入できますが、フィッティングができないのでおすすめできません。

―― ほかに、できれば用意しておきたいものはありますか。

越谷 細かいところでは、帽子でしょうか。日差し対策にもなりますし、撥水効果があるものなら雨具としても対応できます。手袋・グローブもあるといいです。山道はとがった岩などが露出していますので、手指の保護のためにも用意しましょう。また、トレッキングポールも使用する人が増えてきました。体重を下半身だけでなく上半身にも分散できるようになりますので、脚への負荷軽減や、けがの防止のためにも役立ちます。最適な長さがありますので、調整の仕方や使い方は、お店の人にきちんとアドバイスをもらってください。

―― バックパックのサイズはどれくらいがちょうどいいのでしょうか。

越谷 日帰りのトレッキングなら30~40リットルぐらいで十分。登山用にデザインされた、ウェストベルトがついて体にフィットするものがいいですね。こちらもお店で実際に背負ってみるなどしたほうがいいです。
その他にも、地図やコンパス、食糧や飲料水、簡易救急キット、ヘッドライト、携帯用トイレなど、十分な備えをしてください。何が起こるかわからない山の中ですので、これらは万が一の場合に役立ちます。

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