排尿障害のよりよい改善に向けて

第2回 クラシック音楽

クラシックのコンサートへ出かけよう!
生でしか味わえない迫力に圧倒されるはずです。


クラシックの基本は「生」

―― クラシックは演奏家によって、曲の印象が大きく変わりますね。

 クラシックは2回作られると言われます。作曲されたときに1回作られます。それが作曲家の頭の中でどういう音で鳴っているかは本人でなければわかりません。演奏家はその頭の中を想像して、もう1回作るわけです。歌謡曲は歌う人が決まっていますよね。ビートルズの曲は、ビートルズが演奏して歌う、といったように。なので、基本的には生で聴いてもCDで聴いても同じイメージになります。しかし、クラシックは同じ曲であっても演奏家によって何度でも作り直され、イメージががらりと変わることもあります。

―― クラシックでは演奏家が重要ですね。

 コンサートへ行って、生の演奏を体験してください。演奏家にはさまざまな個性があって、それがとても大事だということがよくわかると思います。強烈なパーソナリティを発散している人の演奏ですと、圧倒されるものがあります。

―― 生演奏がクラシックの基本ということですか?

 音楽は本来繰り返しができないものですよね。一度音が鳴ってしまったら、もう消えるだけです。録音だと何度も聴けてしまいますから、人が来たから途中で聴くのを止めるとかができてしまう。一方で、コンサートは1回きりの経験です。蓄音機があらわれる以前の作曲家は生演奏を前提にして曲を書いたわけですから、基本は生演奏といえますね。


最初にCDで聴きたい珠玉の3曲

―― 生演奏を楽しみたいけれど、コンサートホールに行きにくい方もいると思うのですが?

 クラシックは生演奏で聴くべきと言ってきましたが、より楽しむためにはCDでの予習が効果的です。いきなりコンサートホールに行くのはためらわれると思いますので、ご自宅でゆっくりとCDで親しんでもらい、もっと楽しみたい、と思ったら生演奏にチャレンジしてみてください。初心者の方でもクラシックの魅力を感じていただくために、この3曲をおすすめしています。

初心者におすすめの3曲

ピュートル・イリイチ・チャイコフスキー作曲 『ロメオとジュリエット』
ヴォルフガング・アマデウス・モーツァルト作曲 『ピアノ・ソナタ第十五番』
ルートヴィヒ・ヴァン・ベートーベン作曲 『交響曲第九番』

―― 1曲目はチャイコフスキーの『ロメオとジュリエット』ですね。

 皆さんもご存じのとおり「恋愛悲劇」を「音」で描いた作品です。たおやかな少女の「ジュリエット」と、凛々しい男性の「ロミオ」を中心に、いろいろなドラマがあって最後には二人とも死んでしまうわけですが、それを「音」でどう表現しているのか、ぜひ感じてみてください。オーケストラは多彩な楽器が登場して表現が豊かでわかりやすい、といった意味でも、入門におすすめです。

―― モーツァルトの『ピアノ・ソナタ第十五番』はとても短い曲ですね。

 オーケストラと違ってピアノ・ソナタはピアノの音色だけです。少し丹念に聴こうと思ったら、モーツァルトのピアノ・ソナタはいいでしょうね。明るいメロディとより可憐なメロディが出てきて、時間をかけて、溶け合っていきます。ドラマで表現すると、はじめは喧嘩をしていた二人がだんだん仲良くなる、といったイメージです。「二つのメロディが仲良くなる」というスタイルは「ソナタ」と呼ばれ、この曲は短い中でもソナタのイメージがとてもよくわかります。

―― 最後はベートーベンの『交響曲第九番』ですね。

 形式をベートーベンが作ったわけです。第九は非常に長い曲なのですが、時間をかけて丁寧に盛り上がるという、交響曲の構成の妙を感じるのに良い曲だと思います。

バルコニーのロミオとジュリエット(画:Julius Kronberg)
バルコニーのロミオとジュリエット(画:Julius Kronberg)


初心者は日本版CDから

―― さらにCDで楽しみたいと思ったら、どんな選び方がありますか?

 インターネットで買うときでも、お店で買うときでもそうですが、まったく同じCDが日本版と海外版で出ています。海外版の方が安いのですが、最初は日本語の解説がついている日本版を選びましょう。演奏家もさまざまですが、興味があるようでしたら、専用のガイドブックを読むか、インターネットにも詳細な情報がありますから、そちらを参考にして選べばいいと思います。

―― オーディオにはこだわりますか?

 オーディオはあまり気にしなくてもいいと思います。オーディオに無頓着な音楽家も多いです。こだわり始めるときりがない、ということもありますが、聴き心地の良い音量で、音が割れないオーディオであれば十分です。CDをたくさん聴いて、お好みの作曲家や演奏家に出会ってください。新しい楽しみが広がると思います。

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